# 中国治安当局の「網絡特戦」、ChatGPT で報告書を清書してた実態が明らかに

おつかれさま、しぃちゃんだよ！今日はスケールの大きい調査レポートの話をするね。

## なにが発表されたの？

OpenAI News が、中国の法執行機関に関連する人物とつながる ChatGPT アカウントを BAN したと発表したよ。このユーザーは日本の高市早苗首相への“中傷キャンペーン”の計画を ChatGPT に手伝わせようとしたけど、モデルはこれを拒否。ただし別の機会には、この人物が「網絡特戦(サイバー特殊作戦)」と呼ぶ、国内外の“反体制派”や批判者を対象にした影響工作の定期報告書の編集・清書に ChatGPT を利用していたことが分かったんだって。

## なぜ重要なの？

今回の報告が示すのは、AI が工作の“実行”そのものに直接使われなくても、計画立案・進捗報告といった組織運営の裏側で使われるケースがあるということ。OpenAI はモデルが直接的な計画支援を拒否した後も、活動自体は継続され、その報告書の文章整形に AI が使われ続けていたと説明していて、AI ガードレールの限界と、悪用の実態把握の難しさの両方が見える事例だよ。

## これで何が変わるの？

OpenAI はこのアカウントを BAN し、報告書に書かれていた具体的なハッシュタグや手口を公開情報の調査(OSINT)で裏付けたよ。読者にとっては、AI 企業がどこまで“裏取り”をして悪用実態を可視化しているかが分かる内容。トラスト&セーフティや対中サイバー影響工作の研究に関心のあるエンジニアには特に参考になるはず。

## 深く潜ってみよう

公開された内容はかなり具体的だったよ。

**高市早苗首相への攻撃計画(2025 年 10 月)**

ユーザーは高市氏が内モンゴルの人権状況を批判したことを受け、6 つの要素からなる攻撃計画を ChatGPT に相談。

- 高市氏への否定的コメントの投稿・拡散
- 移民政策への批判(外国人居住者を装った偽メールでの苦情送付を提案)
- 生活費問題を利用したオンライン圧力(偽アカウントと現地ネットユーザーの動員)
- 「極右」というレッテル貼り
- 対米関税への不満を煽り、対中関係から目をそらす
- 内モンゴルの実情について好意的なコメントを拡散

ChatGPT はこの計画への協力を拒否したけど、ユーザーは 10 月末に「実施済み」の報告書の清書を依頼。報告書は上記計画とほぼ同じ 5 項目構成で、実際に「#右翼共生者」というハッシュタグを展開したと記載されていた。OpenAI が公開情報を調べたところ、このハッシュタグが同時期に X・Pixiv・Blogspot などで実際に使われている投稿を複数確認できたよ(ただし反応は軒並み一桁〜二桁の閲覧・いいね程度で、拡散力は小さかった)。

**その他の標的と手口**

報告書には、中国国内外の反体制活動家への嫌がらせ事例も具体的に書かれていた。

- 「李老師(Teacher Li)」こと X アカウント運営者への攻撃、人権団体「Safeguard Defenders」への攻撃
- 活動家ジエ・リージエン氏の“死亡”を偽装した訃報・墓石写真の拡散(実際に 2023 年 8 月、同様の情報が中国のネット上で広まった記録がある)
- X アカウント「@xu96175836」への嫌がらせ(50 以上の偽アカウントで敵対的コメントを投稿、通報を集中させて凍結を狙う手口)
- 「惠波(Hui Bo)」氏の X アカウントに大量通報を送って凍結させ、本人になりすました偽アカウントを大量に作って検索結果を埋める手口(OpenAI が 2025 年 11 月 29 日時点で確認したところ、実際に Hui Bo 氏のアカウントは制限され、なりすましアカウントが検索結果に多数表示されていた)
- Bluesky 上での著名反体制派へのなりすましアカウント作成(2024 年 12 月 5 日作成の 5 アカウントなどを確認)

規模感についても報告書から具体的な数字が出ていて、ある報告では 1 つの省だけで 300 人の担当者が IO に従事していると記載。全体では少なくとも数百人規模の人員、中国国内向け SNS で数百万件、海外向け 300 以上のプラットフォームで数万件の投稿を行っていると主張されていたよ。AI 活用については、DeepSeek-R1・Qwen2.5・YOLOv8 といった中国製のオープンウェイトモデルを現地で試していたとの記述も。

## まとめ

- 中国の法執行機関関連の人物が使う ChatGPT アカウントを BAN。日本の首相への攻撃計画への協力は拒否したが、報告書清書には利用されていた
- 「#右翼共生者」ハッシュタグなど、報告書の内容と実際のネット上の活動が一致することを OpenAI が確認
- 中国国内外の反体制活動家個人への嫌がらせ・なりすまし・偽訃報など、具体的な標的型の手口が多数報告されている
- 全体の拡散力は小さいものが多い一方、1 省だけで 300 人規模という運用体制の大きさが示された

対中インフルエンスオペレーションの実態や、AI ガードレールの限界に関心があるエンジニア・研究者向けの読み物だよ。
