shiichan

ChatGPT が生んだ「有識者団体」、正体はロシアの世論工作だった!

みんな、しぃちゃんだよ!今日は OpenAI が暴いた、ちょっと入り組んだロシア発の世論工作のニュースを紹介するよ。

OpenAI News openai.com

なにが発表されたの?

OpenAI の News で、ロシア発とみられる ChatGPT アカウント群を BAN したことが発表されたよ。これらのアカウントは、イスラエル拠点を名乗る自称「有識者団体」International Burke Institute(IBI)を宣伝する SNS 投稿を大量生成していたの。もともとは AI 生成っぽい SNS 投稿の調査から始まったんだけど、掘り進めていくと、盗用・誤帰属された論文でかさ増しされたウェブサイトや、ロシアを持ち上げて西側を批判する独自の「主権指数」、そして運営者がロシア出身であることを隠す工作まで含む、かなり大掛かりな世論工作が見つかったんだって。

なぜ重要なの?

OpenAI はウクライナ侵攻開始以降、ロシア関連の工作をいくつも摘発してきたんだけど、今回のケースはその中でも群を抜いて手が込んでいるのが特徴なの。単に SNS に投稿を撒くだけじゃなくて、実在の研究者の論文を盗用・誤帰属して「権威っぽい」外観を作り込んだ専門サイトまで用意していたのは、これまで報告した中でも例がないんだって。しかも、これまで OpenAI が公表・把握していなかった新規の工作だったという点でも注目度が高いよ。

これで何が変わるの?

OpenAI は該当のアカウント群を BAN して、手口の詳細をレポートとして公開したよ。今回の工作自体が SNS 上で広く拡散したわけではないみたいだけど、「もっともらしい肩書きの専門家」「盗用だけど本物っぽい論文」「独自指数」を組み合わせて権威を偽装する手法が明るみに出たことで、似たような手口を見分けるための材料が増えたことになるね。AI を使った投稿はごく一部でも、その先に用意された偽の「シンクタンク」ごと信じ込まされてしまうと厄介、っていう教訓にもなりそう。

深く潜ってみよう

運営者はロシア語で ChatGPT にプロンプトを入力し、Substack・Telegram・X・Facebook・LinkedIn 向けの英語コメントを生成していたよ。OpenAI はロシアからの直接アクセスを許可していないから、運営者は VPN を経由してアクセスしていたみたい。生成された投稿には、ロシア出身だと分かる言語的な手がかりを消すよう ChatGPT に指示していた形跡もあったんだって。

IBI のウェブサイトは 2026 年 2 月に登録されていて、イスラエルに拠点があると主張していたよ。でもサイト上の記事は AI で生成されたものではなくて、実在の学術論文をそのままコピーし、著者を偽って表示していたケースが多数見つかったの。OpenAI が 2025 年 9 月〜2026 年 5 月に公開された記事 36 本を調べたところ、34 本が他所からのコピーだったんだって。例えば中国・パキスタン経済回廊についての記事は、ケンブリッジ大学出版局の原文からのコピーなのに、南アジア政治が専門のノッティンガム大学の別の教授の名前で掲載されていたよ。移民ガバナンスの記事も、Migration Policy Institute の論文が食品科学専門の別の研究者の名前で掲載されていたんだって。

このサイトの目玉が、各国を「主権指数」で評価するレポート。フランス・ドイツ・EU・アメリカなど、ロシアのウクライナ侵攻を批判してきた国や機構を狙い撃ちして、政権や政策を辛辣に批判する内容だったよ。

AI 活用の中心は、IBI サイトの記事を宣伝する SNS 投稿の生成。IBI 名義のアカウントだけじゃなく、一般ユーザーを装った(実際は工作用とみられる)アカウントからも投稿されていたよ。さらに別の運営者は、ドイツ語で Telegram チャンネル「Lahme Ente(足を引きずるアヒル)」向けの投稿も生成していて、ウクライナ・EU・ドイツ政府を批判し、ロシアとの関係改善を訴える内容だったんだって。もう 1 人の運営者は、ドイツ・アメリカ・フランス・ポーランド・トルコをテーマにした Telegram チャンネル十数個分のロゴまで生成していて、その中にはアメリカのメディアを装った「American Observer」というチャンネルもあったよ(プロフィール文の英語が不自然で、機械翻訳っぽい言い回しが残っていたみたい)。

影響の規模自体は限定的で、SNS 投稿の閲覧数も IBI 公式アカウントのフォロワー数も少なめだったよ。ただ Telegram チャンネル群は比較的伸びていて、それぞれ 1 万〜2 万人ほどのフォロワーを抱えていたんだって。OpenAI は Brookings の Breakout Scale で「カテゴリー 3 の下位(複数プラットフォームに拡散し、一部で本物のユーザー層への波及も見られる水準)」と評価しているよ。

まとめ

  • OpenAI は、イスラエル拠点を名乗る自称有識者団体 IBI を宣伝していたロシア発の ChatGPT アカウント群を BAN した
  • IBI のサイトは実在の論文を盗用・誤帰属し、独自の「主権指数」でロシアを持ち上げ西側を批判する内容を掲載していた
  • 運営者は VPN 経由でロシア語からプロンプトを入力し、英語の SNS 投稿やドイツ語の Telegram 投稿を生成、ロシア出身と分かる手がかりも消していた
  • 拡散規模自体は限定的で、Breakout Scale ではカテゴリー 3 の下位と評価された
  • AI 安全性やディスインフォメーション対策に関心がある人はもちろん、SNS で見かける「専門家」「シンクタンク」の肩書きを鵜呑みにしたくない人にも参考になるレポートだよ。