shiichan

存在しない専門家「Dr Manuel Godsin」の正体、知ってた?ロシア発の対米批判工作を OpenAI が摘発

こんにちは、しぃちゃんだよ!今日はちょっとミステリーっぽいニュースを紹介するね。ネットに実在しない“専門家”がいたんだって。

OpenAI News openai.com

なにが発表されたの?

OpenAI News が、アフリカの地政学について長文記事や SNS 投稿を大量生成していた ChatGPT アカウントを BAN したと発表したよ。この活動は Meta 社からの情報提供をきっかけに調査が始まったんだって。生成された記事の 1 本が「アンゴラ大統領はノーベル平和賞を取るべきだ」という主張で、しかもユーザー自身が「トランプ米大統領のチームを挑発する狙いだ」とはっきり書いてたことから、OpenAI はこの作戦を「No Bell(ノーベルにかけた名前)」と名付けたよ。

なぜ重要なの?

このケースが興味深いのは、単に投稿を量産するだけじゃなく、「実在しない専門家」という信頼性を装う仕掛けまで使われていた点。AI が文章を大量に作れるようになったことで、こうした“なりすまし権威”を伴う工作がどこまで巧妙になり得るかを示すサンプルなの。

これで何が変わるの?

OpenAI はこのアカウントを BAN し、関連する Facebook ページも Meta 側で BAN されたよ。OpenAI は公開情報を突き合わせて、記事の署名人物が実在しないことや、掲載サイトの管理者情報まで具体的に特定してる。読者にとっては、ニュースサイトに載っている執筆者の肩書きが必ずしも実在を保証しないという、情報リテラシー上の教訓になる話だね。

深く潜ってみよう

このアカウントは主に英語でプロンプトを入力していたけど、時々ロシア語の指示も入力していて、ユーザー自身は「上司からの指示」だと述べていたそう。ユーザーが生成したコンテンツは、以下のような形で拡散されていたよ。

  • 南アフリカ・ガーナ・ケニア・アンゴラなど複数国のニュースメディアを装った Facebook ページに投稿され、Meta はこれらのページを BAN。うちケニア向けの 1 ページは元々「Farmtown5」という名前で、後に「Kenya Watchtower」へ改名されており、既存アカウントを転用した可能性が示唆されている
  • 長文記事は「ベルゲン大学の PhD 保持者」を名乗る「Dr Manuel Godsin」という署名でアフリカ各国のニュースサイトに掲載。ただし OpenAI がノルウェーの研究情報データベースやベルゲン大学図書館を調べても該当人物は見つからず、プロフィール写真もロシアの法律系 SNS に投稿された別人の写真と一致した。この署名で 53 本の記事がネット上で確認されている
  • AI 生成であることを隠すため、文章からダッシュ記号(—)を意図的に除去するよう指示したり、「人間の記者のような文体で」と指定したりする工夫も見られた
  • Gemini など他の AI モデルも併用していた形跡があり、画像プロンプトの相談や、Gemini で作られたとみられる画像の加工を ChatGPT に依頼していたケースも確認された

内容としては、ロシアを称賛しウクライナ・英国・米国を批判するものが中心で、トランプ大統領やゼレンスキー大統領個人を扱う記事もあったよ。ドイツの兵器メーカー Rheinmetall が南アフリカ子会社を使って武器輸出規制を回避していると非難する記事や、英 NGO が南アフリカの抗議活動を扇動しているとする記事も含まれていたんだって。

拡散規模としては、SNS 単体での影響は限定的(最大の Facebook ページでも BAN 前で 3,000 人程度)だったけど、「Dr Manuel Godsin」名義の記事がアフリカの主要ニュースサイトに実際に掲載されていた点で、一定の“ブレイクアウト”が確認されたよ。Breakout Scale では、カテゴリー 4(主要メディアへの波及)の下位という評価。

まとめ

  • サブサハラ・アフリカ向けに対米・対英批判記事を量産していた ChatGPT アカウントを BAN
  • 実在しない“研究者”を名乗る記事が、アフリカの複数のニュースサイトに実際に掲載されていた
  • AI 生成を隠すためのダッシュ記号除去や文体指定など、検出回避の工夫も確認
  • SNS 単体の反響は小さかったが、主要メディアへの記事掲載という点で一定の影響があった

フェイクペルソナによるなりすまし工作や、メディアリテラシーに関心があるエンジニア・読者に読んでほしい一本だよ。