shiichan

「ポルトガルのネット、速い?」って聞くだけでわかっちゃう!Cloudflare の新 AI ツール「Radar Researcher」が登場したよ!

やっほー、しぃちゃんだよ!今日は Cloudflare の Blog で見つけた、おしゃべりするだけでインターネットのデータを調べられるようになっちゃう新ツールを紹介するね!

Cloudflare Blog blog.cloudflare.com

なにが発表されたの?

Cloudflare の Blog で、Cloudflare Radar に新しく追加された AI ツール「Radar Researcher」が発表されたよ。Radar は Cloudflare が持っている DNS クエリや HTTP トラフィック、回線品質などのインターネットデータを無料で誰でも見られるようにしているダッシュボードなんだけど、そこに「自然な言葉で質問するだけでデータを調べてくれる AI リサーチャー」が加わったの。

質問すると、Radar の他のページで見られるのと同じインタラクティブなグラフと、その内容を説明する文章がその場で返ってくるのが最大のポイントだよ。ベータ版として Radar の全ページで使えるようになっていて、ヘッダーの「Researcher」ボタンから開けるみたい。

今までどうだったの?

Cloudflare Radar は、この 6 年間かけて DNS クエリ(1.1.1.1 由来)や、グローバルネットワークを流れる HTTP トラフィック、Cloudflare Speed Test の回線品質データなど、複雑なデータをわかりやすく可視化することに取り組んできたんだって。データはすべて無料の API 経由でも取れるようになっていて、オープンなデータであることも大事にしてきたの。

でも、これまでは知りたいことがあっても、どのページのどのグラフを見ればいいのか自分で探しに行く必要があったんだよね。しぃちゃんも思うんだけど、例えば「インターネット障害についての記事を書きたい記者さん」なんかは、ぴったりのグラフを探している時間なんてなかなか取れないの。エンジニアやネットワーク運用者にとっても、同じデータを何度も手作業で見に行くのはけっこう手間だったみたい。

「データセットの構造や用語を知らなくても、欲しい答えにたどり着けるように」という発想から、Radar Researcher が生まれたんだって。

これで何が変わるの?

Radar Researcher があれば、聞きたいことをそのまま質問するだけで、Radar の API から取ってきた本物のデータをもとにした回答とグラフがもらえるようになるよ。できることを整理すると、こんな感じなの。

  • 質問すると、Radar の他のページと同じインタラクティブなグラフ + 短い説明がもらえる
  • 「簡潔な回答」と「複数トピックを含む詳しいレポート」を選べる
  • 回答のあとに便利なフォローアップの質問を提案してくれる
  • 会話は検索可能な履歴として保存され、ピン留め・再訪ができる。リンクで共有もできて、共有リンクは 30 日で自動的に無効になる
  • LLM が質問をどう解釈して、どのデータセットを調べて、どう考えて答えにたどり着いたかを確認できる
  • キーボード入力だけじゃなく音声入力や検索バーからも呼び出せる

さらに、Radar の既存のグラフにも「Explain with AI」というアクションが付いていて、今見ているグラフをそのまま渡した状態で Radar Researcher とのおしゃべりを始められるのも便利なポイントだよ。

具体的な使い方も紹介されていたよ。例えば「ポルトガルの家庭のネット回線ってどれくらい良いの?」と聞くだけで回線品質のグラフが出てきて、「じゃあ近隣国と比べると?」って気軽に聞き返せば、その都度新しいデータを取ってきてくれるの。Radar Researcher の方から「スペインと比べてみる?」「よくある障害の傾向も見る?」って次の一手を提案してくれるのも面白いところだね。

技術に詳しい人向けの使い方も紹介されていて、2026 年初めにイランで起きた、3 か月近く続いた政府主導のインターネット遮断について尋ねる例が出てたの。これはオープンエンドな質問だから、Radar Researcher が記録されている障害イベントを調べて関連するトラフィックデータを集めて、時系列で説明してくれるんだって。実際には「1 月 7 日に約 0.58 だった HTTP トラフィック指数が 1 月 9 日にはほぼゼロまで落ち込み、1 月 17 日ごろから部分的に回復し始めて、1 月 27 日には遮断前に近い水準まで戻った」という流れを、障害期間を書き込んだトラフィック指数のグラフと、記録された障害の一覧表(2 月 28 日から始まった 2 回目の遮断も含む)で見せてくれたみたい。

深く潜ってみよう

ここからは仕組みの話をじっくり見ていくね。Radar Researcher は Cloudflare 自身の開発者向けプラットフォームだけで作られていて、開発者が自分の AI エージェントを作るときにそのまま使えるツール群のショーケースにもなっているんだって。

構成のベースはこんな感じだよ。

  • 中心にあるのは Cloudflare Agents SDK を動かす Cloudflare Worker
  • 会話 1 つ 1 つが、自前の SQLite データベースを持つステートフルな Durable Object になっていて、チャット履歴やタイトル、ストリーミング中の回答まで保持される。ページを離れても生成はサーバー側で続くので、戻ってくれば続きが再開されるの
  • 「頭脳」にあたる部分は Workers AI で、Kimi K2.7 のようなオープンなモデルを使っている
  • 1 つのモデルだけに賭けるんじゃなくて、3 つの異なるモデルファミリーを順番に試すフォールバックチェーンを組んでいて、どれかが一時的に混雑していても自動的に次のモデルに切り替わる仕組み
  • すべての呼び出しは AI Gateway を経由していて、ログ記録・コスト管理・キャッシュ・安全対策のガードレールもここでかかる

データの取り方も工夫ポイントだよ。Radar には数百ものエンドポイントがあるんだけど、その 1 つ 1 つに専用のツールを手作業で書くんじゃなくて、Code Mode を使って統一された Cloudflare の MCP サーバーにエージェントをつなげているんだって。モデルに渡されるツールは検索・実行・ドキュメント参照の 3 つだけで、モデル自身が OpenAPI の仕様を検索して適切なエンドポイントを見つけて、実際にデータを取ってくる小さなコードを書いて実行する流れになっているの。API の仕様は全部 MCP サーバー側にあるから、プロンプトに Radar の API 仕様をハードコードする必要がなくて、Radar 側が新しいデータセットを追加してもコード変更なしで Researcher がそのまま使えるようになるんだって。

Markdown の回答をどうやって本物のグラフに変えているかも面白いところ。LLM は基本的に Markdown のテキストや表、箇条書きで答えるものだけど、Radar Researcher では数字がずらっと並ぶだけの回答にはしたくなかったし、モデルが数値を直接書こうとすると丸めたり要約したり省略したりしがちで、データを扱うツールとしてはそれは避けたかったんだって。

そこで採用したのが、データをモデルの文章から切り離す方法。Researcher がデータを取得すると、その結果は API のパスとセットになった小さな「封筒(データの入れ物)」として返ってくるの。モデルは数値を直接書く代わりに、そのパスを参照するだけの軽量なチャート仕様を出力する仕組みで、実際にはこんな内容になるみたい(モデルの出力は radar-chart という名前のコードブロックとして返ってくるよ)。

{ "type": "speedFlower", "title": "Internet speed quality — Portugal", "dataFrom": "/radar/quality/speed/summary?location=PT" }

Radar のフロントエンドがこの dataFrom を実際に取得したデータと突き合わせて、サイトの他の場所と全く同じグラフの描画コンポーネントで表示してくれるから、グラフの中身は常に API の実データに忠実になるし、折れ線・積み上げ面グラフ・ドーナツ・棒グラフ・マップ・ヒストグラムなど、Radar が持っているグラフの種類をひととおり使えるんだって。

細かい工夫もいろいろあるよ。

  • 会話タイトルの生成やフォローアップ質問の提案には、大きいモデルじゃなく小さくて速いモデルを別枠で動かしていて、本題の回答を遅くしないようにしている
  • 現在の日時や、Radar の IP ページで見られるようなおおまかな接続情報(IP の位置やネットワークなど)も渡されているので、「ここの通信状況ってどう?」のような聞き方にもその場に合わせて答えてくれる
  • ユーザーへの配信は Radar のフロントエンド(こちらも Worker)を経由していて、IP 単位のレート制限がかかっているほか、共有された会話は R2 に保存される。コンピュートから推論、ゲートウェイ、ストレージ、データまで全部 Cloudflare のスタックで完結しているんだって

もう 1 つ面白いのが、Radar Researcher とは別に、ユーザーのブラウザで動く汎用 AI エージェントが Radar を操作しに来たときのための対応も入っていること。今まではそういうエージェントはページをスクレイピングして動き方を推測するしかなくて、壊れやすくて遅い方法だったんだけど、そこで新しい標準規格「WebMCP」を導入したんだって。WebMCP を使うと、ページ側があらかじめ決まったツールを用意しておいて、ブラウザのエージェントがそれを直接呼び出せるようになるの。Radar では次の 2 種類を実装したみたい。

  • imperative API: UI を動かしているのと同じコードを直接呼び出せるツールを JavaScript で登録するタイプ。国・地域・大陸・ASN での絞り込み、日付範囲の変更、ページやセクション、ドメイン・ASN・IP などの検索、任意のセクションへのジャンプができる
  • declarative API: 既存の HTML フォームに属性を追加するだけでツール化するタイプ。URL Scanner での URL スキャンや、ドメインのレポート参照、Web サイトの耐量子(ポスト量子)TLS 鍵交換対応チェックなどに使える

どちらも元々 UI にある機能をそのまま呼び出すだけの「プログレッシブエンハンスメント」だから、WebMCP に対応していないブラウザでは単純にツールが存在しないだけで、動作自体は変わらないよう設計されているよ。この対応によって、Radar 自身が持っている「エージェント対応度チェック」にも合格するようになったんだって。

まとめ

今回のニュースをまとめると、こんな感じだよ。

  • Cloudflare が Radar に、自然な言葉で質問するだけでインターネットデータを調べられる AI ツール「Radar Researcher」をベータで追加した
  • 質問に対して、Radar の他のページと同じインタラクティブなグラフ + 説明が返ってきて、会話の保存・共有、フォローアップ提案、音声入力にも対応している
  • 裏側は Cloudflare Workers・Agents SDK・Durable Objects・Workers AI・AI Gateway・MCP サーバー(Code Mode)・R2 など、Cloudflare の開発者向けプラットフォームだけで組み上げられている
  • LLM の回答からデータそのものを切り離して、軽量なチャート仕様だけをモデルに出力させることで、正確なグラフを描く工夫がされている
  • ブラウザで動く汎用 AI エージェント向けにも WebMCP を導入していて、人にもエージェントにも使いやすいサイトを目指している

インターネットのデータをもっと気軽に触れるようにしたい、っていう気持ちが伝わってくる発表で、しぃちゃんもいろんな国のネット事情をおしゃべりしながら調べてみたくなっちゃった!